2018年度も世界各地で人道危機や難民流出が続き、シリア、イエメン、ミャンマーをはじめとする危機的状況は、膠着状況に陥り、今後の展開が見通せません。政治がポピュリズムや自国第一主義に傾倒する傾向も変わらず、その中で追い詰められ声を上げる人たちが迫害されたり社会的弱者がスケープゴートにされたりする動きが広がり、人種差別や難民排斥も続いており、人権を守ろうと活動する人びとへは厳しい状況に置かれています。

国際的な取り組み

「I WELCOME 難民の未来は、あなたがつくる。」キャンペーン

「I WELCOME 難民の未来は、あなたがつくる。」キャンペーン
© Andrew Stanbridge / Amnesty International

紛争で、ひどい差別で、極度の貧困で、宗教弾圧で・・・。今、世界中で難民が増え続けています。難民の命と安全を守るために、世界各国が難民を保護する責任を公平に果たすよう、世界中で働きかけを行いました。日本では、市民一人ひとりの声を日本政府に届けるため、公式サイトとハガキで署名活動を実施し、2016年のキャンペーン開始から累計4,700筆が集まりました。また、9月に開催されたグローバルフェスタへの参加や、複数の大学でのワークショップなどで、難民が置かれている状況を多くの人たちに伝え、改善に向けた一人ひとりの行動を呼びかけました。

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「BRAVE~声を上げる勇気~」キャンペーン

「BRAVE~声を上げる勇気~」キャンペーン
© Amnesty International / photo: Jan Petersmann

今、自由や平等、正義のために闘っている人たちが、嫌がらせや脅迫、暴力といった攻撃を受けています。「BRAVE」とは、こうした状況に負けずに、時には命を懸けて、果敢に声を上げ続ける勇気ある人たちのこと。アムネスティ日本は2018年、人権活動家を守るキャンペーンを開始し、署名活動やフォトアクション、大学での講演、チャリティコンサートなどで、世界中の人たちと一緒に声をあげました。

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ユースと人権教育

ユースと人権教育

米国からジェンダー問題専門の弁護士、法科大学院生6名と教授を招き、4月にユースを対象としたジェンダーに関する人権教育プログラムを実践する集中講座「グローバルな視点からジェンダー問題を斬る」を開催しました。「LGBTの人たちがおかれている現状に目を向け、男らしさ・女らしさの偏見が及ぼす影響を学び、社会を変えるための知識を身に付ける」ことを目標に、参加者30名がお互いに学び合う、とても中身の濃いイベントとなりました。

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ウイグル問題:緊急アクションと講演会

ウイグル強制収容所から奇跡の生還~オムルベク・アリさんが語る~

中国の新疆ウイグル自治区で、カザフスタン人やウイグル人など、大勢の少数民族が「再教育」の名の下で拘束されている問題について、収容所から奇跡の生還を果たした、オムルベク・アリさんを招いて、11月に東京と大阪で講演会「ウイグル強制収容所から奇跡の生還~オムルベク・アリさんが語る~」を開催しました。総勢280名が参加し、新聞やテレビ等、多くのメディアに取り上げられました。講演会でオムルベクさんは、「地獄のような弾圧を受けた」経験を語り、中国のウイグル人に対する人権侵害の惨状を訴えかけました。また、講演会に先立ち、不当な拘束を止めるよう中国政府に求める緊急オンラインアクションを公開しました。

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国内の取り組み

LGBT差別の撲滅をめざす「Love Beyond Genders」キャンペーン

LGBT差別の撲滅をめざす「Love Beyond Genders」キャンペーン

5月、世界中から集まった署名45,000筆を、要請書「性的指向、性自認に基づく差別禁止に向けた法整備を求める」と一緒に日本政府に提出しました。この要請には、キャンペーンに賛同する国内の活動家、そして国会議員の方々もご参加くださり、要請書を法務副大臣に直接手渡すと共に、意見交換を行いました。また、地方自治体への働きかけを行っている活動家を招き、シンポジウム「地方から考える!LGBTの暮らしやすい街」を開催しました。

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死刑廃止

4月に死刑に関する統計報告書を発表しました。国内では7月6日に7人、7月26日に6人、12月に2人の計15人の死刑執行があり、抗議声明を出すとともに法務省前で抗議行動を行いました。また、袴田巌さんの再審開始を求めるフォトアクションや、他団体と協力して国会前で要請行動を行いました。その他、日本の死刑問題を考える「死刑廃止入門セミナー」を毎月東京と大阪で開催。10月10日の死刑廃止デーにあわせ、キャンドルアクションや、新宿アルタ前で「あなたは死刑に、賛成?反対?アンケート」を実施しました。

死刑廃止キャンドルアクション

イベント

ライティングマラソン

暴力をもちいていないのに、自らの信念や人種、宗教、肌の色などを理由に囚われの身となった人びとの自由を求め、世界中の仲間とともに手紙を書く、アムネスティ恒例のイベント「ライティングマラソン」。2018年も、全国29カ所でグループチームが主催し、手紙書きのイベントなどを開催した。

ライティングマラソン 下関グループ

2018年に展開した主なオンラインアクション

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