2018年10月13日、「響かせあおう死刑廃止の声」の集会終了後、会場近くの国会議事堂正門前で、「死刑廃止のためのキャンドルアクション」を行いました。
集会に参加された方たちなど、100名近くの人々が集まり、正門前の歩道上で、死刑廃止の想いをキャンドルの灯に託しました。
アクションでは、「死刑をなくそう」と書かれた横断幕を掲げ、キャンドルランタンを灯しながら国会正門前でスタンディングしました。そして、アムネスティ日本お死刑廃止ネットワーク東京のメンバーが、確定死刑者やその家族の言葉などを朗読しました。
2018年7月に死刑執行された13名のオウム事件死刑確定者の方たちを悼み、その執行に抗議するさまざまな言葉が朗読されました。そして、6月に再審開始決定を取り消される不当決定を受けた袴田巌さんが、かつて東京拘置所の独房で書き綴った言葉も朗読されました。
朗読の後、参加者は横断幕を広げながら正門前の横断歩道を歩き、キャンドルランタンを高く掲げて、死刑廃止を求める想いをそれぞれに表現しました。
「100年前の幸徳事件の時代に戻った」と言われる今年7月の死刑執行。この夜の時代の中で、いまこそ私たちは死刑廃止の灯を掲げ、歩き続けていかなければならない。国会前の暗い歩道に浮かび上がるキャンドルの灯のひとつひとつに、そうした意思を感じました。
最後に、国会正門前で朗読した袴田巌さんの言葉を紹介します。
「殺人者に対する応報は絞首刑であるという考えは人間として間違っていないだろうか?私はこの死刑囚という特殊な境遇にデッチ上げによりおかれ、初めて死刑の残虐のなんたるかを熟知した。
確定囚は口をそろえて言う、死刑はとても怖いと。だが、実は死刑そのものが怖いのではなく、怖いと恐怖する心がたまらなく恐ろしいのだ。この懊悩、苦悶からくる苦痛は、ただの死という観念からくる苦痛と全く異質のものなのであるようだ。その意味では、私を支援、激励してくれる死刑の心配のない人の中にも、この違いが理解できていない人もいる。
実際、死刑囚の気持ちをわかってやれというのは無理なのかも知れない。しかし、この文明社会で多くの死刑囚が分かってくれることを願っている。」
(1980年5月13日) ―袴田巌、袴田巌さんを救う会編『主よ、いつまでですか 無実の死刑囚・袴田巌・獄中書簡』、新教出版社
天野 理(アムネスティ日本 死刑廃止ネットワーク東京)
実施日 | 2018年10月13日(土) |
場所 | 国会議事堂正門前 |
主催 | アムネスティ・インターナショナル日本 死刑廃止ネットワーク |