右から、外務大臣政務官の高木啓衆議院議員、アムネスティ日本活動活動マネージャー武田伸也、アムネスティ議連・牧山ひろえ参議院議員
9月13日、イラン・テヘランで22歳のクルド系女性、ジーナ・マフサ・アミニさんが国の服装規定に違反した疑いで警察に拘束されたのち死亡した事件をきっかけに、抗議デモがイラン全土に広がりました。このデモを制圧するために投入された治安部隊によって、300人以上の市民が殺害されており、その14%は子どもです。
アムネスティ・インターナショナルは、イラン政府当局による人権侵害を追求する事実調査団の設置を求めて世界中で署名活動を開始。218の国と地域から76万人以上の人たちが賛同の声を寄せました。その調査団設置の決議は国連人権理事会において11月24日に採択されましたが、抗議デモに対する弾圧は依然として続いています。拘束された抗議者の中には死刑判決を受け、すでに見せしめとして公開処刑されてしまった人もいます。
外務大臣政務官へ要請書を提出
12月14日、アムネスティ日本は外務大臣政務官と面会し、日本政府としてイラン当局が行っている人権侵害に抗議するとともに、デモ参加者への武力弾圧の即時停止と国連調査団の受け入れを求め、イラン政府に働きかけるよう要請しました。アムネスティ議員連盟の牧山ひろえ参議院議員とともに、外務大臣政務官へ要請書を手交し、意見交換を行いました。
意見交換では、署名活動をしている間にも300人以上の市民が殺害されており、既に抗議者の死刑が執行されるなど、情勢が目まぐるしく変化している現状を訴えました。その上で、イランでの深刻な人権侵害の状況を一刻も早く明らかにし、残虐な弾圧を止めさせる必要があることを伝えました。
牧山ひろえ衆議院議員も、「多くの勇気ある市民が、デモに参加して声を上げ続けている。そんなイランの人たちを守ってほしいということを、議員としてのみならず、一人の日本国民としてお願いしたい。多くの国民が同じ気持ちのはずなので、国民の声を代弁するものとして重く受け止めてほしい」と話されました。
外務大臣政務官の高木啓衆議院議員は、「日本は現地に大使館もあるため、イランの状況は常に最新情報を入手しながら掌握している。一連の人権侵害を非常に懸念しており、政府としても国連人権理事会での決議に賛成票を投じた。今回の要望をしっかりと受け止め、国際社会とともに連携していく」とお話され、引き続き状況の改善を求めていくことを確認しました。
※今回の面会は、アムネスティ議連・牧山ひろえ参議院議員のご尽力により実現しました。ご協力をありがとうございました。