- 2022年12月14日
- [公開書簡]
- 国・地域:イラン
- トピック:
2022年 12月14日
外務大臣 林 芳正 様
公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
事務局長 中川 英明
残虐な弾圧を止めるため、日本政府は行動を!
「非イスラム的な服装」だという理由で9月13日に道徳警察に逮捕されたジーナ・マフサ・アミニさん(22歳)が逮捕の 3 日後に急死しました。9 月 16 日に始まった抗議デモにイラン全土で多くの人々が参加し、危険を覚悟で街頭に繰り出して自由、尊厳、人権のために声を上げています。
デモ参加者をイラン当局は武力で弾圧しています。抗議デモが始まってからの2週間で少なくとも約150 人が治安部隊に殺害されました。そのうち少なくとも23人が子どもでした。確認できた死者数よりもはるかに多くの人々が実際には犠牲になっていると考えられますが、情報の拡散を抑え込むためにインターネット回線が広範囲で遮断されており、正確な犠牲者数を把握するのは非常に困難です。
大勢のデモ参加者を拘束しているイラン当局は、さらなる弾圧の手段として死刑を利用しています。透明性と中立性を欠く裁判で、拘束したデモ参加者たちに死刑を科し、判決後短期間で処刑しているのです。これ以上の犠牲者を出さないために国際社会の強い行動が求められています。 国連人権理事会は、抗議デモ参加者に対するイラン政府当局の人権侵害、特に女性と子どもの権利侵害を調べるために、事実調査団を設置する決議を 11 月 24 日に採択しました。日本政府も賛成票を投じたこの国連決議を私たちは歓迎します。しかし、実効性のある調査団の派遣を一刻も早く実現させるためには、日本をはじめとする国連加盟国政府がイラン政府の全面的な協力を取り付ける必要があります。
多くの人々が、アムネスティ・インターナショナルの呼びかけに応え、日本政府への期待を込めて今回の要請に名を連ねています。私たちは、日本政府に対し、イラン当局が行っている人権侵害に抗議するとともに、デモ参加者への武力弾圧の即時停止と国連調査団の受け入れを求め、イラン政府にはたらきかけるよう要請いたします。
以上
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