死刑廃止ネットワークは、東京と大阪それぞれに、チームがあります。 各チームは、毎月1回、定例会をもち、活動についての報告や話し合いの機会を持っています。

チームの雰囲気は、東京も大阪も和やかです。一人ひとりが命と人権の問題を考えながら、一緒に活動に取り組んでいます。 また、東京と大阪で開催している死刑廃止入門セミナーでは、世界の状況などを説明し、死刑について参加者とともに考える機会を設けています。

今、こんな活動に取り組んでいます

東京チーム

「死刑廃止を考える」入門セミナーを年間6回程度開催しています。また、年に1~2回集会等のイベントを開催しています。日本で死刑執行があった場合には、抗議声明、記者会見に事務局と共に取り組み、法務省前抗議活動を行います。

大阪チーム

毎月2回「死刑廃止を考える」入門セミナーを行っています。また、年に2回の死刑廃止ニューススペシャルの発行や、死刑に関連するテーマについてのイベントも年に数回開催して、一人でも多くの方に死刑の現状を知っていただき、考える機会を持っていただくことを期待して活動を続けています。

これまでの成果

東京チーム

毎月死刑廃止入門セミナーを開催。定期的にデモや街頭アンケート、イベントを実施し、死刑廃止の啓蒙をしてきました。現在はコロナ禍で活動が制約されていますが、オンラインによるセミナーも実施しています。

大阪チーム

入門セミナーや著名人の講演会などのイベントで死刑に関する情報を発信することによって、新たにチームの活動に加わったメンバーもいます。また、死刑廃止ニューススペシャルは、1990年以来、さまざまな著者による死刑廃止に関する論稿、死刑の問題を扱った映画評や書評などをコンパクトな冊子にまとめて発行を続けており、獄中にも熱心な読者がいます。

リーダからの一言

東京チーム

死刑廃止に取り組む他団体とも連携を図りながら、多角的に運動を展開していきたいと思っています。 新しい方法を模索しつつ、アムネスティの基本である手紙書きを大事にしたいと思います。また、全国のアムネスティ会員ともつながっていきたいです。

大阪チーム

アムネスティ日本の1人ひとりが持つ多種多様な考え方、アイデア、ネットワーク、その他の力を、貸していただけるような形の運動を提案・展開できるようなセンターでありたいと考えています。

発足

東京チーム:ストックホルム宣言の実現を目指して

アムネスティでは、1977年に死刑廃止のためのストックホルム宣言を行い、死刑に対して反対する立場であることを明確にしました。それまでも政治囚等への死刑に対しては反対していましたが、さまざまな理由をつけ、「死刑囚」として「合法的に」殺害されることもあるため、すべての死刑に反対する必要がありました。このストックホルム宣言によりアムネスティは全面的かつ無条件に死刑に反対することとなりました。

その後、70年代後半、ストックホルム宣言を推進していくために死刑廃止活動に取り組んでいきます。国際事務局からの情報や行動要請を各グループへ配信するために、いくつかのグループの死刑廃止担当が定期的に集まる調整グループが出来ました。これが現在の死刑廃止チームの前身となります。

死刑廃止活動の情報を配信しているので「死刑廃止ネットワーク」や「死刑廃止ネットワークセンター東京」と言った呼び名で呼ばれることもありました。

1989年死刑廃止条約の成立を目標に1年間のキャンペーンを行い、免田栄さんの全国巡回、マリエッタ・イェーガーさんの全国講演に取り組みました。この時の中心メンバーは前出の東京の調整グループとキャンペーンのために集まった大阪のメンバーでした。キャンペーンが終わった後も、東京の調整グループは活動を継続し、次第に今の死刑廃止チームのような形態となっていきます。

アムネスティ以外の死刑廃止活動運動との連携を図ることもチームの役割だと思います。今後も死刑廃止の情報発信やイベントの実施等を通じて、ストックホルム宣言の実現を目指して活動を続けていきます。

死刑廃止東京チーム 手島史夫

 

大阪チーム:結成から33年

死刑廃止ネットワークセンター大阪チームは、1990年に結成されて2023年で33年になりました。

その前年の1989年にアムネスティ・インターナショナルは、国連で審議されていた死刑廃止条約の成立を目指すために死刑廃止のための世界キャンペーンを行い、アムネスティ日本も東京と大阪にチームを作って一年間キャンペーンに取り組みました。死刑廃止条約は、無事12月の国連総会で採択されましたが、当時は世界ではまだ死刑存置国が廃止国の数を上回っていました。よくそれで死刑廃止条約が可決されたものだと思いますが、存置国の多くが棄権に回ったことで成立したそうです。アムネスティ・インターナショナルが行った世界キャンペーンの力も大きかったのだと思います。

キャンペーンが終了し、チームも解散したのですが、もちろんこれで死刑がすべてなくなった訳ではないので私たちには死刑廃止の活動を続けたいという思いがありました。この頃東京には既に死刑廃止ネットワークセンターがあったのですが大阪にはなかったので大阪にも死刑廃止ネットワークセンターを結成することにしました。

日本政府は、条約の採決では反対票を投じましたが、さすがに世界の趨勢を感じたのか翌年の1990年から1992年の3年間、死刑執行を行いませんでした。ネットワークセンターを立ち上げたばかりの私たちは、このまま事実上の廃止国となるだろうと甘い期待を持っていました。しかしその後の展開はご存知のとおりです。今、振り返るとあの3年間になんとかできなかったのかという苦い思いに捉われます。

現在、世界でいまだに死刑を行っている国は、3割を切っています。この33年間に世界は大きく前進しましたが残念ながら日本は、その流れから取り残されたままです。私たちは、節目の年を迎えて今度こそはとの思いです。

死刑廃止ネットワークセンター大阪チーム 田森洋樹

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東京チーム
adp-team@amnesty.or.jp
大阪チーム
osakashihai@amnesty.or.jp