アジア、アフリカ、ヨーロッパ、中近東、南北アメリカおよびカリブ地域からの200名以上の代表と参加者(注1)からなる死刑廃止のためのストックホルム会議は、
死刑がこの上もなく、残虐、非人道的かつ屈辱的な刑罰であり、生きる権利を侵すものであることを想起し、
死刑が反対派、人種、民族、宗教およびしいたげられた諸集団に対する抑圧の手段として、しばしば行使され、
死刑の執行が暴力行為であり、暴力は暴力を誘発しがちであり、
死刑を科し、それを執行することは、その過程に関わるすべての者の人間性を傷つけており、
死刑が特別な抑止効果を持つことはこれまで証明されたことはなく、
死刑がますます、説明不能な「失踪」、超法規的な処刑、および政治的な殺人の形をとりつつあり、
死刑執行が取り返しがつかず、しかも無実の人に科されることがありうることを考慮し(注2)、
自国の管轄圏内にあるすべての人の命を例外なく保護することが、国家の義務であり、政治的強制を目的とする死刑執行は、政府機関によるものであれ、他のものによるものであれ、等しく容認されえず、
死刑の廃止がこれまで宣言された国際的な基準の達成にとって不可欠のものであることを確認し、
死刑に対して全面的かつ無条件に反対すること、
いかなる形にせよ、政府により犯された、あるいは黙認されたすべての死刑執行を非難すること、
死刑の世界的規模での廃止のために活動すると誓約することを宣言し、
国内的および国際的な非政府系機関に対して、死刑の廃止という目的に資する情報資料を人々に提供するため、集団的および個別的に活動すること
すべての政府に対して、死刑の即時・全面的な廃止を実現すること
国際連合に対して、死刑が国際法違反であると明白に宣言することを要請する。
1977年12月11日
アムネスティ・インターナショナル 死刑廃止のためのストックホルム会議
注1:法律家、裁判官、政治学者、心理学者、警察関係者、刑罰学者、神学者、ジャーナリストなどが含まれていた。
注2:ストックホルム会議では、この7つの事項の各々について論拠を提出している。