日本:ガザ地区での即時停戦に向けた積極的な行動を求める要請書

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2023年12月27日
[公開書簡]
国・地域:日本
トピック:地域紛争

2023年12月27日

外務大臣 上川 陽子 殿

公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
理事長 阿部 理恵子

 

ガザ地区での即時停戦に向けた積極的な行動を求める要請書

 

イスラエルとハマスその他の武装勢力との戦闘で多くの市民が犠牲になっています。パレスチナ被占領地ガザ地区では、イスラエル軍の砲撃で街が大規模に破壊され、人道支援物資の搬入が厳しい制限を受け、未曽有の人道危機でガザ地区200万人の人びとの命が危機に瀕しています 。

人道的戦闘休止期間に救援物資が搬入されたものの、戦闘休止はわずか7日間で終わり、激しい戦闘が再開されました。終わりの見えない戦闘の中、 すべての紛争当事者による戦争犯罪を含む深刻な国際人道法違反は、とどまるところを知りません。

これ以上の民間人の犠牲に歯止めをかけるには即時停戦が必要なのは、火を見るより明らかです。

また、停戦になれば、すべての紛争当事者による人権侵害と戦争犯罪に関する独立した調査の実施が可能になります。今回の人道危機は、パレスチナ被占領地域で行われてきたこれまでの戦争犯罪、アパルトヘイトを含む人権侵害 に対する長年の不処罰が招いたものです。この不処罰に終止符を打ち、犠牲者への正義と補償を実現するために調査は極めて重要です。

日本政府はこれまでに、人道的な即時停戦を求める国連総会の決議案に賛成票を投じ、安全保障理事会の 即時停戦決議にも賛成しています。また、大臣 ご自身も、外務大臣談話で「すべての紛争当事者に最大限の自制を求める」と延べ、11月29日付のG7外相の共同声明として、人道支援の拡大と人質の解放促進のため、11月24日から始まった戦闘休止の延長と必要に応じた将来の休止を支持なさいました。 即時停戦は今まさに、 「必要」なのです。戦闘再開後のガザ市民のための人道支援会合フォローアップ会合には ビデオメッセージで参加し、ガザの人道状況に対する強い懸念を表明し、危機的状況の改善、早期の事態の鎮静化のため戦闘休止合意への復帰の重要性を訴えていらっ しゃいます。日本政府は、国連安全保障理事会の理事国として、そうしたお考えを一刻も早く行動で示すべきです。

アムネスティ・インターナショナル日本は、日本政府に対し、即時停戦実現のために、あらゆる外交手段を用いて、当事国および安全保障理事国、いわゆる中東カルテット(米国、EU、ロシア、国連 )、アラブ諸国に積極的にはたらきかけるなど、最大限の外交努力を発揮するよう求めます。

以上