- 2022年10月 8日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ロシア連邦
- トピック:
ウクライナの都市ザポリージャで支援物資を運ぶ車列がロシア軍のミサイル攻撃を受け、少なくとも25人が死亡、50人が負傷した。この卑劣な攻撃は、ロシアがウクライナの民間人の命を蔑ろにする姿勢をあらためて示した。
攻撃を受けた車列は、ロシアの占領地域に支援物資を届ける準備中だった。支援物資を届ける人たちは、軍事目標ではない。
人道支援をする人たちや支援物資、物資を運ぶ車両などへの意図的な攻撃は、戦争犯罪になる。違法な攻撃を繰り返し指示した者は全員、その責任を問わなければならない。
アムネスティがソーシャルメディアの写真や動画を分析したところ、攻撃を受けたのは、前線から27.5キロほど離れたザポリージャ南部にある廃車リサイクルセンターに集まっていた車列だった。破壊された車列近くの爆撃でできた穴は、幅5メートル、深さ2.5メートルほどで、大型誘導ミサイルの弾頭によるものとみられる。
報道によれば少なくとも25人が死亡、50人が負傷し、全員が民間人だった。アムネスティが写真と映像を分析した結果、遺体の服装と特徴から23人の男女を個別に確認することができた。
ウクライナ当局によると、今回の攻撃では16発のミサイルがザポリージャ付近から発射され、記録によれば市民防衛警報システムのサイレンが鳴ったのは、攻撃時刻とほぼ同じ午前7時11分だった。
攻撃を受けた地点、警報、爆弾できた穴の大きさや形、同時に発射された武器の数から、攻撃はロシア軍によるものであることはほぼ間違いない。
この攻撃の直前、プーチン大統領はロシア軍が占領するドネツク州、へルソン州、ルハンスク州、ザポリージャ州を併合すると発表していた。アムネスティは「住民投票」は違法で、その結果は「ごまかし」であり、併合は国際法違反だと断じた。
戦争犯罪の責任追及
アムネスティは、ウクライナへの侵攻開始当初からロシアが犯してきた戦争犯罪や国際人道法違反を指摘してきた。
アムネスティは、人権侵害を行ったロシア軍とロシア当局の責任を問うよう繰り返し求めており、国際刑事裁判所がウクライナで実施している捜査を歓迎する。
侵攻に伴うロシアの包括的な責任を問うには、国連と関係機関が足並みを揃えることに加え、普遍的管轄権の原則に従った各国レベルでの取り組みが求められる。
アムネスティ国際ニュース
2022年9月30日
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