ロシア連邦:戦闘で避難を余儀なくされたウクライナ民間人を「選別」

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2022年9月22日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ロシア連邦
トピック:

国連は、ロシア兵士が拘束したウクライナの民間人に対し、屈辱的な身体検査を行い、経歴、家族関係、政治的見解、忠誠心など極めて個人的なことを尋問する「選別」と呼ぶ手続きの存在を立証した。アムネスティの独自調査でも明らかになっている。

この人権を無視した屈辱的な行為は、国際人権法と国際人道法に違反する。

ウクライナの多くの避難民は、やむなくロシアの占領地域やロシア国内に移動せざるをえない状況にある。占領した地域の市民の追放や強制移動は、国際人道法で禁じられており、戦争犯罪あるいは人道に対する罪になることがある。

避難を余儀なくされた市民に「選別」という人権を侵害する対応は、言語道断だ。

同伴者がいない子ども、親を亡くした子ども、高齢者、障がい者など弱い立場の人たちへの対応も懸念される。これらの弱者の中には、ウクライナの支配地域に逃れようとしてロシア兵に阻止された人もいる。多くの人たちが、ロシア占領地域やロシアに移されてから、もうそこからは出られないということに気づく。

ロシア当局は、国際社会によるウクライナ市民の一時避難施設での聞き取りや、紛争で身動きが取れない市民の避難手順の調査を受け入れなければならない。

また、ウクライナ市民が戦闘地域から無事離れ、ウクライナの支配地域に入れるようにすることも必要だ。さらに、ロシア国内にいるウクライナ人が帰国か第三国への出国ができるよう手筈を整えることも求められている。

背景情報

アムネスティの調査で、ウクライナの人が戦闘地域から出る、あるいはロシアとの国境を越えようとした時に、拘束され「選別」を受けた事例のうちの数件を取り上げ、その詳細を明らかにした。

保護者のいない子どもや孤児、マリウポリにある老人施設や障がい者施設の入所者らが、強制的にドネツクへ移送された。その中には、ウクライナの支配地域に避難するところだった大人や子どもがいた。

情報や所持金、移動手段が限られる高齢者は、特にロシアの支配地域やロシア国内で動けなくなる可能性が高い。

高齢者や障がい者が、ウクライナのロシア占領地域やロシア国内からウクライナの支配地域への移動を促進する仕組みがまったくないと思われる。

アムネスティ国際ニュース
2022年9月8日

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