- 2022年7月13日
- [公開書簡]
- 国・地域:日本
- トピック:気候変動と人権
2022年 7月13日
外務大臣 林 芳正 様
公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
事務局長 中川 英明
「清潔で健康的かつ持続可能な環境で暮らす権利」に関する 国連総会決議への支持を求める要請書
アムネスティ・インターナショナルは「清潔で健康的かつ持続可能な環境に対する人権」に関する国連総会決議案を日本政府が支持するよう要請いたします。この決議案は コスタリカ、モルディブ、モロッコ、スロベニア、スイスによって提出され、7月末の採択が見込まれています。
社会・環境・若者・ジェンダー平等・人権に取り組む運動体や市民団体、労働組合、 地域コミュニティ、先住民族などの1,350以上の団体が、清潔で健康的かつ持続可能な環境に関するすべての人の権利をこれ以上遅滞することなく認めるよう国連に対して声をあげています。この要請書を通じて、これら世界中の団体の希望と期待を日本政府にお伝えいたしたいと存じます。
昨年10月8日、国連人権理事会第48会期において「清潔で健康的かつ持続可能な環境に対する権利を人権の享受において重要な人権として認める」決議48/13が、賛成43票、反対0票、棄権4票で採択されたのはご承知のとおりです。この日、国連人権理事会は、人権の享受への最も差し迫った脅威の一つに対し国連人権諸機関がより適切に取り 組むための重大な一歩を踏み出しました。そして同決議は、この問題を検討するよう国連総会に求めています。
人びとの幸福や健康は健全な環境と密接に関連していることを私たちが認識してこなかったことの結果として、環境破壊や環境汚染に起因する劇的な事象が全世界で日常的に発生しています。今年6月2日には、ストックホルム+50国連人間環境会議において、国連事務総長が、あらゆる地域のすべての人々、とりわけ貧しいコミュニティ、女性と少女、先住民、若者、来るべき世代のために、清潔で健康的な環境に関する権利に取り組むよう各国に求めました。
「気候変動に関する政府間パネル」や「生物多様性と生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)」による最新の報告は、特にこの問題の核心をついています。地球上のすべての生物の生存および人類と地球のために、環境の悪化に歯止めをかけ、環境を回復させなければなりません。その実現を目指し、人権法・原則に基づく 野心的で協調的な行動を各国が取ることが急務です。
「清潔で健康的かつ持続可能な環境で暮らす権利がすべての人にある」という認識をより強固に普遍化するうえで、まさに今、国連総会は重要な役割を担っています。このような普遍的認識は、この権利の進展を国レベルで促進し、世界中の人びとが健康的な生活を 送れる未来の実現に貢献するものです。
アムネスティ・インターナショナルは、国連総会での交渉と最終投票において「清潔で 健康的かつ持続可能な環境への権利を再確認する決議」を積極的に支持する姿勢を明確にお示しくださるよう、貴殿と日本政府に対して要請いたします。
以上
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