- 2022年4月13日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:中国
- トピック:
香港の法廷で被告人の発言に拍手するなどした6人が4月6日、「迷惑行為」を働いたとして扇動容疑で逮捕された。
傍聴中のささやかな抗議に対する当局の対応は、異論をつぶやくことさえも根こそぎにするという手段を選ばない強権的姿勢を示している。
香港国家安全維持法で実質的に無制限な捜査権を与えられている治安警察が、治安に無関係な行為を摘発する事態が増えている。6人の逮捕はその裏付けでもあり、香港の人権状況が、一層悪化しているということでもある。
香港警察は、適用範囲が過度に広い扇動罪の乱用をやめるべきだ。拍手が犯罪になることなどありえない。
背景情報
昨年12月から今年1月にかけてあった公判のいずれかを傍聴していた6人は、迷惑行為をしたとして逮捕された。6人は扇動罪に問われ、有罪なら実刑2年を言い渡されるおそれがある。
1月4日にあった活動家・鄒幸彤(チョウ・ハントゥン)さんの公判で、天安門事件の犠牲者を擁護する発言をした鄒さんに拍手した傍聴者数人が退席を求められた。
退席させられた一人で、解散した香港職工会連盟の副議長だった鄧建華(タン・チンファー)さんは、警察が要求した情報を連盟が提供しなかったとして3月31日、連盟の仲間2人とともに連行された。
香港政府は一昨年から植民地時代の扇動法を適用して、活動家、ジャーナリスト、作家らを起訴してきた。
昨年7月、子ども向けの本を出版した言語療法士5人が逮捕され、扇動的書籍の出版共謀の罪で起訴された。
昨年12月、業務を停止したメディア「立場新聞」の幹部らが、扇動的出版の容疑で逮捕された。
今年3月、表現の自由の権利を行使して扇動罪に問われていた政治活動家の譚得志(タム・タクチ)さんが、有罪判決を言い渡された。
アムネスティ国際ニュース
2022年4月6日
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