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中国の人権

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2022年の人権状況:概況

新型コロナウイルス感染症対策の制約で、健康の権利や食糧の権利が損なわれる事態が複数あった。政府はオンライン検閲を一段と強化し、政策や施政に対する批判や「微妙な話題」に関する議論を抑圧し続けた。政権批判や人権擁護者、民主活動家、宗教指導者、実践家などが、恣意的な逮捕や拘束の対象になった。

新疆ウイグル自治区やチベットの少数民族に対する弾圧が続いた。国連人権高等弁務官事務所が、新疆ウイグル自治区における人道に対する罪など国際法違反の罪の可能性を記録した報告書をまとめたが、政府は発表の阻止に動いた。

女性が性的な暴力や嫌がらせなどの人権侵害にさらされる事態も続いた。香港政府は、引き続き民主化運動の弾圧を続けた。ジャーナリスト、アナウンサー、書籍出版者らが国家安全維持法などの抑圧的な法律を適用されて投獄され、香港内外の市民団体は合法的活動にもかかわらず嫌がらせや刑事告発を受けた。

再生可能エネルギーの利用拡大など、将来を見据えた対応が取られたものの、二酸化炭素削減目標は、「極めて不十分」と評価された。また石炭の生産が拡大した。

背景

ほぼ一年を通じて、政府は広範囲にわたるロックダウン(封鎖)や強制隔離が伴うゼロコロナ政策を続けた。11月中旬から、この厳しい制限に対する抗議が一部の地域で激しくなった。11月24日には新疆ウイグル自治区の首都ウルムチの団地で火災が発生し、少なくとも10人が死亡した。ドアが施錠されていたために住民が避難できなかったとして抗議デモが起き、少なくとも20都市にデモが拡大した。当局は、国の責任を否定する一方で、デモ拡大後、新型コロナに基づく行動制限の緩和を発表した。

5月、ミシェル・バチェレ国連人権高等弁務官(当時)は、新疆での2日間を含め6日間、中国に滞在した。6月、国連の独立した人権の専門家42人は中国政府に対し、国内の、特に新疆、チベット、香港での深刻な人権侵害の申し立ての評価にあたり、国連特別手続きおよびメカニズムの無制限な利用を認めるよう求めた。8月、政府は強制労働に関する国際労働条約(ILO条約)29号と強制労働の廃止に関する条約105号を批准した。

10月、中国共産党の第20回全国人民代表大会で、習近平国家主席の中国共産党総書記3期目が発表された。習政権下の10年で市民への弾圧が激化したため、今後、人権状況がさらに悪化するとの懸念が高まった。

1989年 天安門で何が起こったのか?

34年前、1989年6月3日の夜、天安門広場に集まった民主化を求めるデモ隊を排除するため、重装備の部隊と数百の装甲車が北京市内に入りました。部隊はデモ参加者や見物人に向かって銃を乱射、さらに、動けなくなった市民を装甲車で轢き殺しました。北京市内を制圧した後も、軍は独断で人びとを銃殺しました。

同年6月末に中国政府が発表した公式報告書によると、3000人以上の市民が負傷し、36人の学生を含む200人以上が死亡しました。アムネスティは、さらに多くの人が殺害され、中国全土で数万人が逮捕されたと推測していますが、中国当局は真相解明を拒み続けているため、詳細はわかっていません。事件の真相解明を求める声は今でも続いていますが、そのような声を上げる人びとを中国当局は弾圧の対象とし、今も厳しく取り締まり続けています。

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