アムネスティの本好きなボランティアが、マンガ、小説、写真集、エッセイなど、さまざまなジャンルから、人権に関連する隠れた良書をピックアップしてご紹介します!
14.マッドジャーマンズ ― ドイツ移民物語
ドイツの移民の生活を描いたマンガだと聞いて手に取った。概してドイツのメディアはまじめである。公共放送が中心であるせいか、娯楽色はさほど強くない。それは紙媒体でも同様で、マンガなどもあるにはあるが、ドイツの子どもたちに言わせれば......
(ビルギット・ヴァイエ著/山口侑紀訳、花伝社、ISBN:978-4763408334)
13.アラーの神にもいわれはない
これにしよっと。『アラーの神様にだってこの世のことすべてに公平でいらっしゃるいわれはない』。ぼくのとんちき話の完全決定版タイトルは、こんなだよ......という書き出しでギニア生まれの男の子ビライマ少年の体験談は始まる。
(アマドゥ クルマ著/真島 一郎訳、人文書院、ISBN:978-4409130261)
12.チェルノブイリの春
フランスで活躍するバンドデシネ作家エマニュエル・ルパージュによるドキュメンタリー風の作品である。バンドデシネと聞いても日本では馴染みの薄いジャンルだが、簡単に言えばフランス語圏で描かれたのコミックのことだ。
(エマニュエル・ルパージュ著/大西愛子訳、明石書店、ISBN:978-4750339931)
11.FREE <無料>からお金を生み出す新戦略
私たちの周りには“無料”のものがあふれている。何故だろう。本書は私たちを取り巻くこの不思議な“無料”という値付けをめぐる事象について米国のデジタルカルチャー雑誌『Wired』の元編集長クリス・アンダーソンが解説......
(クリス・アンダーソン著/小林弘人 監修/高橋則明 訳、日本放送出版協会、ISBN: 978-4140814048)
10.わたしを離さないで
日系英国人作家・カズオ・イシグロが書いた「わたしを離さないで」では、クローン人間が主人公である。クローンとして生まれたキャシーとトミーの運命は、若く健康なまま臓器提供することであり、それは彼らの死を意味する。
(カズオ・イシグロ著/土屋政雄訳、早川書房 、ISBN: 9784151200519)
9.ガリレオの生涯
「目にみえないもの」を信じること、疑うこと。この本を読んだ後、どうしてもそこに思いを巡らさないではいられなかった。「信じるべき」ものは「目にみえる」ものに限るべきなのか。「目に見えないもの」は常に「疑うべき」対象なのか。
(ベルトルト・ブレヒト著/谷川道子訳、光文社、ISBN:75264-4)
8.紙女(「われら猫の子」に収録)
短編「紙女」は、小説を愛するあまり紙になりたいと願った女という、奇抜な設定の物語。私にとって星野の小説は、とっつきにくい。ではなぜ読みたくなるかというと、紙になりたがった女と、その女の希望を叶える作家というように......
(星野 智幸著、講談社 ISBN:978-4062136952)
7.ぼくの村の話
「じゃあ、このうちが空港になるっていうだが?うちの畑もみんな?」 もしも、あなたが住んでいる家や地域が、朝のニュースで突然、空港になることが発表されたならば、あなたはどう思うだろうか。「ぼくの村の話」は、広げた新聞に見入る家族の驚きから始まる。
(尾瀬 あきら著 、講談社 ISBN:978-4063283051)
6.くらやみの速さはどれくらい
舞台は、自閉症の療法が現代より飛躍的に進化した、近未来の米国。トレーニングにより大幅なリハビリが可能となり、特有の高度な能力を活かし、自閉症者が企業に貢献する時代である。ただし、若干のコミュニケーション障害は残っている。
(エリザベス・ムーン著、小尾芙佐訳/早川書房 ISBN:978-4152086037)
5.ハーフ・ザ・スカイ―彼女たちが世界の希望に変わるまで
これは本当にノンフィクション? あまりにも非現実的な世界が描かれていて、最初そう思った。もしかしたら、その現実を受け入れたくなくてそう思ったのかもしれない。生まれた国が違うだけで、こんなにも運命が変わる。
(ニコラス・D・クリストフ、シェリル・ウーダン著、北村陽子訳/英治出版/ISBN:978-4-86276-086-9)
4.三重苦楽
歩行障害があるにもかかわらず「楽歩(ラブ)」と名付けられた大畑楽歩さんは、脳性まひのため、うまく歩いたり、話したりできないという苦労を背負って生まれてきた。しかし、彼女の自叙伝「三重苦楽」は、明るいトーンと軽快なテンポで一貫している。
(大畑楽歩著/アストラ ISBN:978-4-901203-43-2)
3.エリザベート 美しき皇妃の伝説
21世紀の現代でも「女子力」なるものがクローズアップされ、たとえビジネスやスポーツで活躍している女性であっても、家事ができるか、結婚しているかどうかが注目される。19世紀後半のハプスブルグ帝国の皇后であったエリザベート。しかし.....
(ブリギッテ・ハーマン著、 中村康之訳/朝日新聞社/978-4-02-261488-9)
2.Die Energie 5.2☆11.8
1980年代は、それまで少女マンガ家として分類されていた作家たちが、次々と硬質の作品を発表した時代だった。 三原順はおもに言葉で語る作家である。代表作「はみだしっ子」の中で1ページすべてをびっしりと文章で埋めた手法などが......
(三原順/出版社:白泉社/ISBN:978-4-59288-377-7)
1.百合子、ダスヴィダーニヤ―湯浅芳子の青春
「何でもヅカヅかいえる人。しかしもう一つぴったりせず。未知数だけに興味がある」。百合子の初対面の印象を、芳子はこう書いた。二人の出会いは、1924年4月。芳子は27歳、百合子は25歳。天才作家として17歳でデビューしてから......
(出版社:文藝春秋/ISBN:978-4-16344-080-4)