20万筆の署名を提出!パレスチナ人に対するアパルトヘイトに終止符を

アムネスティ・インターナショナルは2023年3月21日、20万人以上の人たちが署名した請願書「パレスチナ人の家ではなくアパルトヘイトを解体せよ」をイスラエル当局に届け、イスラエルによるパレスチナ人に対するアパルトヘイト解体の第一歩として、パレスチナ人の家の取り壊しに終止符を打つよう要請しました。署名活動には、少なくとも174の国と地域の人たちが参加し、日本でもオンライン署名を行い、約1,300筆の署名が集まりました。

踏みにじられるパレスチナ人の人権

家を取り壊され、土地を取り上げられ、壁とフェンスや検問所で移動の自由を奪われる――イスラエルが推し進める「アパルトヘイト※」によって、パレスチナ人の人権は70年以上にわたって踏みにじられてきました。繰り返される紛争や人権侵害の結果、今も約600万人のパレスチナ人が難民として生きていくことを余儀なくされています。

法制度や慣行によってユダヤ系イスラエル人を優遇し、パレスチナ人を排除し差別する「アパルトヘイト」。これが如実に表れているのは、パレスチナ自治区における家屋の取り壊しです。パレスチナ人が家を建てるには、イスラエル当局の許可が必要ですが、この許可はめったにおりません。そのため、パレスチナ人は仕方なく無許可で家を建てるのですが、イスラエル当局はその家は違法だと取り壊し、その費用をパレスチナ人に負担させます。すでに何百万人もの家屋が取り壊され、少なくとも15万人が取り壊しの危機にさらされています。

イスラエルによるアパルトヘイトを終わらせるためには、国際社会がこの事実から目をそらすことなく、イスラエルの責任を厳しく追及していかなくてはなりません。

アムネスティは、これからもイスラエル当局に圧力をかけ、住宅取り壊し、強制移住、入植地拡大をやめさせ、ガザ地区への封鎖を解除し、軍や入植者によるパレスチナ人への不法な攻撃の不処罰を終わらせるよう、すべての国に対し繰り返し要請を続けます。

※アパルトヘイトとは
アパルトヘイトとは、1つの人種集団が他の人種集団を支配する目的で、日常的に組織的な抑圧を行っている状況を指します。国際社会において最も重大な犯罪のひとつ「人道に対する罪」にあたります。かつて南アフリカでは、法律や制度、慣行で白人を優遇し、非白人を徹底的に差別するアパルヘイトが行われていましたが、イスラエルも同じようにパレスチナ人を差別し続けています。アムネスティは4年以上かけて非常に広範な調査を行い、その結果、客観的な事実と証拠に基づき、この扱いはアパルトヘイトだと結論付けました。家屋の取り壊し以外にも、アパルトヘイトを構成するさまざまな人権侵害の事実が明らかになっています。

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