2019年4月10日(水)、アムネスティ・インターナショナルは最新の死刑統計「2018年の死刑判決と死刑執行」を発表しました。これに伴い、同日、衆議院議員会館で、報告会と勉強会を開催しました。
同報告会には、オウム真理教元代表麻原彰晃こと松本智津夫の弁護士であり、日本弁護士連合会死刑廃止及び関連する刑罰制度改革実現本部事務局長などを務める小川原優之弁護士をお招きし、「戦後最大規模の死刑執行を考える ―オウム元死刑囚たち―」と題して、昨今の日本の死刑制度の在り方とそれに対する関係諸国の動向や、今後の展望について語っていただききました。
まず、アムネスティ・インターナショナル日本事務局長である中川英明が、2018年の統計から見える各国の死刑制度・執行数の現状を報告。
世界の国々は死刑廃止へと向かっており、2018年は死刑判決を下した国の数は、53カ国から54カ国と1件増加したものの、死刑執行数は前年比から31%減少しており、日本は現在も死刑執行を毎年のように行っている国として少数派になりつつあります。
続いて、小川原弁護士から、1989年(平成元年)~2018年(平成30年)の日本での死刑執行数の推移をご説明いただきました。
1992年までは0~3人だったのに対し、1993年以降は増加傾向にあり、2018年にはオウム元死刑囚13人を含む15人という大量の死刑執行がなされました。その中には再審請求中であったり、心神喪失の疑いのあるものも含まれていたということです。
また、欧米諸国での死刑制度廃止を前提とする取り組みや、米国での市民集会の様子などもご紹介いただきました。
2019年内に予定されているフランシスコ・ローマ法王の来日や、2020年のオリンピック・パラリンピック及び国連犯罪防止刑事司法会議の日本での開催が近づくにつれ、国際社会の注目が集まる中での死刑執行は、日本の国際評価に影響をすることを考慮する必要がある、とご指摘されました。
執筆者:曽根亜希子(アムネスティ日本 ボランティア)
実施日 | 2019年4月10日(水) |
場所 | 参議院議員会館(東京) |
主催 | アムネスティ日本 |
後援 | アムネスティ議員連盟 |