アムネスティ最大のイベント「ライティングマラソン」。昨年も12月に、世界各地で、また、日本でも30カ所以上で開催されました。
暴力をもちいていないのに、自らの信念や人種、宗教、肌の色などを理由に囚われの身となった人や、不当に投獄されている人たち。手紙やハガキは、そうした刑務所にとらわれている人たちに宛てて、また、そうした囚人たちの釈放を求めて政府関係者に宛てて送ります。
監獄の暗闇の中で不安におびえている人たちにとって、あなたの励ましや応援のメッセージは、希望の光になります。
日本国内で集まったハガキ、手紙、署名の総数:9,765筆
全国各地で活動しているアムネスティ・グループを中心に、たくさんの方が世界で起きている人権侵害について考え、一枚一枚手紙を書きました。
お茶やお菓子を持ち寄っての和気あいあいとしたイベントを行うグループや、死刑や難民問題などの講演会と一緒に開催するグループ。コンサートや食事会と組み合わせるグループなど、それぞれの方が、人とのつながりを大切に、人権への問題意識を新たにしながら、そして一通の手紙の力を信じながら、ライティングマラソンに取り組みました。
また、アムネスティのホームページを見てライティングマラソンに関心を持ったという大学生が、クラスで手紙書きを行い、およそ220筆の署名を東京事務所に持って来てくださるなど、うれしい驚きもありました。
世界各国のライティングマラソン
■ アニー・アルフレッドさんのケース
アニー・アルフレッドさん©LAWILINK/Amnesty International
皮膚や髪の毛や眼の色が薄いアルビノ(先天性白皮症の患者)の少女、アニー・アルフレッドさん。東アフリカのマラウイでは、「アルビノの体の一部があれば金持ちになれる」などの迷信が社会にまん延し、アルビノの人たちは命の危険にさらされています。
コートジボワールでは、現地のアルビノの学生が参加し、アニー・アルフレッドさんやアルビノの人たちに向け、心からの励ましのメッセージを送りました。また、マラウイ政府に対し、彼らの保護を求める要請の手紙を書きました。
■ マキシマ・アクーニャさんのケース
ペルー北部で農家をしているマキシマ・アクーニャさんは、家族と住む土地を出ていけという鉱山会社や警察からの要求を拒否したために、激しい嫌がらせや脅しを受けています。
ノルウェーではユースのメンバーが、マキシマ・アクーニャさんを励ます歌を合唱しました。彼らは自分たちの文化も知ってほしいと、ノルウェーに伝わる伝統的な歌唱法を練習し、録音をペルー支部に送りました。今後、支部のスタッフが翻訳を付けて、本人や家族に渡す予定だということです。
鉱山会社や警察に敢然と立ち向かうペルーのマキシマ・アクーニャさんには、世界から15万通を超える励ましの手紙が届けられました。マキシマさんは、一通一通を大切そうに手に取りながら、「私は一人ではないのだと知り、心から嬉しく思っています。私は、世界中の色々な国の人たちに支えられている。感謝しています。ペルーには私のように不当な扱いや虐待を受けて苦しんでいる女性が沢山いる。どうぞ私たちを支えて続けて下さい。」と語りました。
■ エドワード・スノーデンさんのケース
©cyril marcilhacy/Cosmos
米国政府の市民社会に対する行き過ぎた監視について暴露したスノーデンさん。フランスでは、エッフェル塔そばの自由の女神像の上空に、スノーデンさんの風船を浮かべ、連帯の気持ちを表明しました。
また、彼の恩赦を求める署名は110万筆を越え、アムネスティはその署名を今年1月、他団体と共にバラク・オバマ元大統領に提出しました。
元大統領による恩赦は実現しませんでしたが、現在ロシアに暮らすスノーデンさんはこの話を聞き、とても勇気づけられたと話しました。「私は、皆さんの揺るぎない支援に、心から感謝します。100万人以上の方々の声が一つになり、真実の大切さを訴えたのです。私がどれほど感謝しているか、言葉では語り尽くせません。」と感謝の言葉を述べ、市民の自由を守るために、あきらめず活動していくと語りました。
グッドニュース あなたの手紙には力がある!
今年2月、世界で最も長く投獄されているジャーナリストの一人、ウズベキスタンンのムハンマド・べクジャノフさんが、17年という長い獄中生活の末、釈放されました。
アムネスティは2015年のライティングマラソンでムハンマドさんを取り上げ、世界中から彼の釈放を求める手紙を大統領宛てに送りました。皆さんの書いた手紙一枚一枚が、彼を救う大きな力になったのです。
手紙書きに参加してくださった皆さん、ありがとうございました!