【イベント報告】アムネスティ・フィルム・フェスティバル2017を開催しました！

1月28、29日、都内ヤクルトホールにてアムネスティ・フィルム・フェスティバルが開催されました。2日間で延べ800人以上の方にご来場いただき、大盛況のうちに終わりました。ご来場くださった皆さま、本当にありがとうございました！

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初日は、ファストファッションの裏側に迫った『ザ・トゥルー・コスト』と、紛争下のコンゴ民主共和国で性暴力を受けた女性を治療するムクウェゲ医師を追った『女を修理する男』への関心が高く、ほぼ満席となりました。

鑑賞された皆さんからは、「消費者も加害者になることが分かった」「フェアトレードの意味とその大切さをしっかりと理解しました」（『ザ・トゥルー・コスト』）、「コンゴの状況は知識としてあったが、女性があれほど悲惨な状況にあることは知らず、衝撃を隠せない」「戦争はいつも女性と子どもが犠牲になる。この世から差別と戦争がなくなることを祈る」（『女を修理する男』）といった多くの感想が寄せられました。

トークイベント「身近なモノから世界が見えた」田中滋さん（アジア太平洋資料センター事務局長）

トークイベント「自分が代わる 社会を変える～ハンセン病と向き合う～」森元美代治さん（IDEA ジャパン代表）

映画『あん』で町おこしをしている東村山市。ロビーでは同市の清水屋さんによる塩ドラ焼きも販売！100個があっという間に完売しました。

ロビーに設置された感想掲示版

難民の保護を求める署名活動も実施。また来場者の方から、難民保護にむけたたくさんのメッセージをいただきました！

『ザ・トゥルー・コスト』『女を修理する男』に関連して、紛争鉱物やファストファッションをテーマにトークイベントを開催。ゲストにアジア太平洋資料センター（PARC）の田中滋さんをお迎えし、ビジネスと人権、そして私たち消費者は何を考え、行動すべきかについてお話しくださいました。

初日最後の作品は、朝鮮学校の生徒たちの姿を生き生きと描いたドキュメンタリー『蒼のシンフォニー』。上映前には朴英二監督が舞台あいさつに駆け付けてくださり、朝鮮学校の生徒たちが直面している差別、そんな中でも前に進む子どもたちへの思いを共有してくださいました。

2日目は河瀨直美監督、樹木希林さん、永瀬正敏さんの素晴らしい演技で話題となった『あん』が登場。上映後はハンセン病回復者で、原作であるドリアン助川さんの小説に影響を与えた森元美代治さんがゲストとして登壇されました。

森元さんは、ドリアン助川さんに初めて会ったとき、小説を書きたいというドリアンさんの思いを真面目に受け止めていませんでした。ところが、仕上がった小説を読んで「当事者が書いた本よりすごい！」と唸ったそうです。今、東村山市にある国立療養所多磨全生園は一般に開放され、多くの地域の方々が訪れているとのこと。森元さんは、ハンセン病への偏見や差別をなくすために、まず知ること、そして、多くの人に多磨全生園に来てほしいと願っています。

映画祭の最後を飾ったのは、ドイツに住むトルコ系移民三世代をユーモアたっぷりに描いた『おじいちゃんの里帰り』。異文化理解、多様性を受け入れる社会、世代ごとに微妙に揺れるアイデンティティなど、私たちの社会に大切なヒントがたくさん隠されていた秀作です。多文化社会への希望を感じさせてくれ、自然と拍手が会場から沸き起こりました。

ロビーに設置された感想掲示版は、2日間で映画を観た感想で一杯に。また、初日はアフリカ支援のためのチョコレートやジンジャー・ティー、2日目は『密告者とその家族』にちなんでパレスチナの民芸品などを販売し、ロビーは大賑わい。人権に関するカタイ書籍も、この日ばかりはかなり売れたそうです！

アムネスティ・フィルム・フェスティバルは2007年にスタートし隔年で開催、これまでに自由や尊厳、「人間らしく生きる」ことをテーマに合計54本の映画を上映することができました。そして、1回目の実行委員会から数多くのボランティアが参加し、主体的に映画祭を運営してきました。

今回で映画祭が終了ということで、ご来場いただいた多くの方から継続を望むお声をいただきました。本当にありがとうございます！　映画祭という形は今回でいったん終了しますが、映像を通して人権を伝えるイベントは、これからもさまざまな形で実施していく予定です。

集合写真

映画祭の運営に関わってくれたボランティア、あたたかく見守ってくださった来場者の皆さん、チラシやパンフレットのデザイナーさん、ホールのスタッフの皆さん、すべての方に御礼申し上げます。