7月29日、オンラインアクション「迷信で命を狙われるアルビノの人たちを守って!」で集まった署名約2,100筆を、駐日マラウイ大使館・公使に直接手渡しました。

マラウイ政府は、新たに発表した国の対応策にアムネスティの要請を反映させるなど、皆さまの声は確実に政府を動かす大きな力になっています。

2015年に大統領がアルビノの人たちに対する暴力を公に厳しく非難するなど、政府は以前もこの問題に取り組む姿勢を示してきました。しかし、厳しい財政状況を背景に、アルビノの人たちを守る施策が現実に実行されていない状況が続いています。アムネスティは、今回の対応策がきちんと実施されるよう、引き続き、目を光らせていきます。

hrc_malawi.jpg集まった署名約2,100筆を、駐日マラウイ大使館・公使に提出

マラウイで急増するアルビノを狙った暴力事件

皮膚や髪の毛や眼の色が薄いアルビノ(先天性白皮症の患者)の人たちは、その見た目ゆえに、偏見の目で見られたり、いじめにあったりすることは少なくありません。命を奪われる国もあります。その一つが、東アフリカのマラウイです。

マラウイでは、市民の間にまん延する迷信で、7,000-10,000人ものアルビノとその家族が、日々、誘拐や手足の切断、殺害といった恐怖の中で過ごしています。アムネスティは、彼らが安心して暮らせる社会を実現するために、世界中でキャンペーンを実施しました。

過去数年、マラウイではアルビノを狙った暴力事件が急増しています。2014年11月から2016年4月までに、アルビノを狙った犯罪は少なくとも69件、内18件で被害者が命を落としています。今年4月にも、わずか2歳の赤ちゃんが、母親と一緒に寝ていたところを、何者かに連れ去られ、殺害されるという事件が起きました。

「アルビノの身体の切断部位には幸運をもたらす不思議な力が宿る」「骨には金が隠されている」-間違った迷信が、彼らを危険にさらしているのです。アルビノと性交渉を持つと、HIV/エイズが治ると信じられている村もあり、性的暴力の被害者となる女性が後を絶ちません。警察による保護、捜査が徹底されておらず、加害者が裁かれないまま、野放しになっている状況がこの問題にさらなる拍車をかけています。

アムネスティは、マラウイで暮らすアルビノ41人を含む141名に聞き取りをし、この状況を詳しく調査。今年6月13日の「国際アルビニズム啓発デー」に合わせて報告書を発表し、問題解決に向けた具体策をマラウイと各国政府に提示しました。また、アルビノの人たちに関する誤った考え方を正し、彼らの保護と加害者の処罰を徹底するよう求め、署名を集めました。

 

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