2月13日(土)、袴田巖さんの再審無罪を求める全国集会を開催しました。当日は、170名の方にご参加いただきました。
えん罪を訴え続け、48年間という獄中生活の末に2014年3月27日再審が決定した袴田巖さん。静岡地裁は証拠にはねつ造の疑いがあり、袴田さんをこれ以上塀の中に閉じ込めることは「耐え難いほど正義に反する」として、即日釈放しました。
しかし、この決定から2年が経とうとしている現在も、検察の即時抗告によって、いまだに再審は開始されていません。
袴田巖さんの再審無罪を求める実行委員会は、袴田さんの再審が取り消され、再収監されるという最悪の状況を避けるため、再審無罪を求めあらためて支援を呼びかけようと今回の集会を開催しました。
多彩なゲストが登壇
鈴木貴子衆議院議員(左)と鈴木宗男元議員(右)
木谷明弁護士
はじめに、アムネスティ日本 事務局長の若林秀樹が開会の挨拶をし、集会がスタートしました。静岡地裁の再審開始決定を引用し、この集会の意義について強調しました。
つぎに、袴田さんを支援する輪は国会の場にも広がっており、袴田巖死刑囚救援議員連盟事務局次長、鈴木貴子衆議院議員が連帯の挨拶を述べました。また、この議員連盟を立ち上げた 鈴木宗男元議員からも挨拶をいただきました。
記念講演「"強すぎる検察"と再審」では、木谷明弁護士が登壇され、元裁判官としての経験から、現在の法制度における検察と再審制度の関係によって、再審開始が困難となっている現状を語りました。
再審では、検察官の上訴権の制限がなく証拠開示制度が全くないことのほか、 再審制度運用に関する裁判所の冷淡な態度も、再審に大きな影響を与えています。
袴田事件弁護団からは戸舘圭之弁護士が、検証実験に反対していることや今後の課題について報告を行いました。
さらに、ドキュメンタリー映画「袴田巖 夢の間の世の中」予告編の上映が行われ、金聖雄監督が密着取材した状況を話しました。
マナベジムの真部豊会長
菅家利和さん(左)と桜井昌司さん(右)
連帯アピールとして、多くのゲストが参加しました。 日本プロボクシング協会袴田巖支援委員会委員長の新田渉世さん、 マナベジムの真部豊会長、リングアナウンサーの須藤尚紀さん、ヘビー級ボクサーの市川次郎さんが登壇しました。
そして、えん罪で苦しんでいた布川事件えん罪被害者で布川事件国賠原告の桜井昌司さん、 足利事件の菅家利和さんが参加し、裁判や検察にかける思いを語っていただきました。
巖さんの姉、袴田秀子さんは支援への感謝を述べるとともに再審無罪を勝ち取ると、決意をあらたにしていました。
連帯アピールが承認され、最後に実行委員会を代表し、日本国民救援会中央本部事務局長の鈴木猛さんが閉会の挨拶を行いました。実行委員会は今後とも再審実現のために働きかけていきます。
開催日 | 2016年2月13日(土) |
開催場所 | YMCAアジア青少年センター |
主催 | アムネスティ日本 |