アムネスティもメンバーである、取調べの可視化を求める市民団体連絡会が、オーストラリアの現役、アメリカの元捜査官を招いて、集会「海外の捜査官に聞く~取調べの可視化の意義~」を開催しました。
捜査する側からみた可視化(全過程の録画)のメリットへの関心は高く、平日、昼間の集会にもかかわらず、国会議員を含め、約70名が参加しました。
ゲストは、オーストラリアのニューサウスウェールズ(NSW)州のディビッド・ハドソン氏と、コロラド州元デンバー警察官のジョナサン・プリースト氏。
日本では試行的に始まったばかりの取調べの録画ですが、NSW州ではなんと、20年以上も前の1991年に導入されていました。
また、オーストラリアでもアメリカのコロラド州デンバーでも、導入前はやはり現場の捜査官から抵抗があったとか。しかし、実際に導入されると、警察が不正な取調べをしているという批判に対して、そうではない、と証明できるようになったし、捜査の質や透明性があがったそうです。ハドソン氏によると、裁判の期間が短縮され、さらに、裁判での有罪の答弁も増えたそうです。
また、日本の捜査官は、ビデオ録画すると被疑者が話さなくなる、とよく主張します。しかし、ハドソン氏もプリースト氏も、口をそろえて「そんなことはない」と断言しました。
アメリカでは、法執行機関の3分の2は、何らかの形でビデオ録画をしているそうです。そしてその数が減ることはなく、増える一途を辿るだろう、とプリースト氏。
集会後の記者懇談会では、朝日、毎日、NHK、産経などの新聞社のほか、雑誌やフリージャーナリストも参加し、予定の1時間を30分も越えて、熱心な質疑応答が交わされました。
ハドソン氏は、今や多くの警察官が、録音・録画以外にどんなシステムを使っていたのかを知らないといいます。
日本でも、いつかそんな日が来るのでしょうか?
集会開催日 | 2012年4月5日 |
場所 | 参議院議員会館 |
主催 | 取調べの可視化を求める市民団体連絡会 |
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