「Write for Rights(ライティングマラソン)」は、12月10日の「世界人権デー」の周辺に、世界中で一斉に手紙書きを行う、アムネスティ最大の人権イベントです。
今、世界中でたくさんの人の自由が脅かされています。ある国では、人権を守ろうと声を上げただけで投獄され、拷問などの暴力を受け、最悪の場合は殺害されてしまう人もいます。今年の「ライティングマラソン」では8つのケースを選び、当該政府や当局に対し、人権侵害の改善を求める手紙を書きます。
また、人権侵害の被害者には「あなたは一人ではないよ、世界中が応援しているよ」と、一緒に闘っていることを伝える応援メッセージを送ります。監獄の暗闇の中で不安におびえている人たちにとって、励ましや応援のメッセージは、希望の光になっています。
フラッシュモブやコンサート、マラソン大会など、2024年も世界中でさまざまなイベントが開催され、少なくとも4,662,638通の手紙やハガキ、署名が関連当局や人権侵害に遭っている人たちに届けられました。一人ひとりの力は小さくても、集まった手紙は大きな力となり、取り組んだ、およそ4割のケースで改善がもたらされています。
手紙書きに参加する
一人で書くのは不安、という人は、ぜひ友人や同僚を誘ってみてください。学校や職場近くのカフェなどで一緒に手紙を書くという人も、たくさんいます!また、アムネスティでは会員が中心となり、全国で手紙書きのイベントを行っています。ぜひ、お近くの会場に足をお運びください。
2025年に取り組む8つのケース
手紙の書き方や宛先などの詳細は、PDFをご覧ください。(日本語のPDFは二つ折りにしてご利用ください)
01. 南アフリカ: ウナテボ・ムボテニ さん
3才のウナテボさんは2024年4月18日、南アフリカの東ケープ州の保育園でピット式トイレに落ち、翌日死亡しました。 2018年以降、別の2人の子どもも同州でピット式トイレに落ち、命を落としています。 事故から1年が経過しましたが、家族はいまだに真相について説明を受けておらず、誰も責任を問われていません。担当大臣に、ウナテボさんの死の調査および事故に責任のある者を裁きにかけるよう、要請してください。
02. ノルウェー:エリノール・グットルム・ウツィ さん
エリノールさんは、ノルウェー北部で先祖代々のトナカイ遊牧の生活様式を守る先住民サーミ人の女性です。今、サーミの人たちの夏の放牧地に数百基の風力発電機が設置される計画が進められており、このまま進めば自然と結びついたサーミの人たちの暮らしが脅かされかねません。ノルウェー政府に対し、サーミの人たちの権利を守り、土地や資源に関する重要な決定にサーミの人たちがきちんと参加できるよう求めてください。
03. エクアドル:アマゾンの戦士たち
10~20歳の若い活動家グループ「アマゾンの戦士たち」は、エクアドルのアマゾン地域で、有毒ガスと深刻な環境破壊を引き起こすガスフレアから地域社会を守るために闘っています。石油採掘に伴うガスフレアは気候危機の主要な原因の一つで、2021年には裁判所が「人権と環境権の侵害であり、廃止すべき」との判決を下しました。にもかかわらず、ガスフレアは今も燃え続けています。暴力的な脅迫にさらされながら活動を続ける彼女たちを守るため、ガスフレア廃止の判決を確実に実行し環境を守る人びとの安全を保障するよう当局に求めてください。
04. カンボジア:マザー・ネイチャー・カンボジア
カンボジアの環境保護団体「マザー・ネイチャー・カンボジア」のメンバーたちは2013年以降、勇気をもって環境保護活動を続けてきました。しかし当局は繰り返しこの団体を標的にし、メンバーの逮捕や起訴を行ってきました。2024年6月、同団体のメンバー6人が6年〜8年の拘禁刑を宣告されました。1人はカンボジア国外へ逃亡し活動を継続していますが、残る5人の活動家は過酷な刑務所環境下で耐え忍んでいます。拘束されている5人の活動家の即時釈放とマザー・ネイチャー・カンボジアの活動家に対するすべての有罪判決の取り消しをカンボジア政府に求めてください。
05. マダガスカル:ダミソア さん
2021年、マダガスカル南部アンドロイ県で暮らしていたダミソアさん一家は、干ばつによる飢饉から逃れるため北部のボエニへ移りました。しかし移住先でも、劣悪な住環境・水・衛生状況のもとで苦しみ、緊急の人道支援を必要としています。ダミソアさんをはじめ、マダガスカル全土の人々が直面する飢餓、安全な住まいを確保できない状況、医療不足などの深刻な課題への緊急対処を、マダガスカル政府に求めてください。
06. ホンジュラス:フアン・ロペス さん
2015年以来、トコア地域で活動するフアン・ロペスさんと活動家たちは、鉱山開発やエネルギー事業から地元の河川と国立公園を守るために闘ってきました。2024年、フアンさんは覆面の銃撃犯に射殺されました。容疑者とされる射手および共犯者2人は殺人罪で起訴され、現在裁判前拘禁中です。しかし、彼の殺害を指示した人たちは、いまだに責任を問われていません。検事総長に対し、フアンさんの正義を求める手紙を書いてください。
07. ミャンマー:サイゾータイク さん
フォトジャーナリストのサイゾータイクさんは、2023年5月にミャンマーで発生したサイクロン・モカの被害状況を報道したとして逮捕され、2023年9月、軍事裁判所で20年の拘禁刑と強制労働を宣告されました。ミャンマー軍にサイゾータイクさんの即時釈放を要請してください。
08. チュニジア:ソニア・ダマニ さん
ソニアさんは非人道的な刑務所の状況や差別に対して声高に批判するなど、人権擁護に生涯を捧げてきた弁護士です。彼女は根拠のない「虚偽の情報の流布」罪で有罪判決を受け、さらに政治的動機による捜査が進行中です。非人道的な環境下で拘束されているソニアさんの即時釈放を大統領に要請してください。
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