米国アラバマ州のロッキー・マイヤーズさんは、殺人の罪で死刑判決を受けました。以来、30年もの間、ひとり独房で刑の執行を待っています。
ロッキーさんは知的障がいがあること、また黒人であることで不利な立場に置かれていましたが、裁判においてロッキーさんに十分な配慮がなされることはありませんでした。白人至上主義団体の弁護を務めたこともあるロッキーさんの弁護士は、差別的な発言を繰り返して彼を過剰におとしめました。また、ロッキーさんが知的障がいを理由に上訴期限の延長を要請した際も、裁判所に認められませんでした。
さらに、陪審員の多くが死刑ではなく終身刑を望んだにもかかわらず、判事は死刑を言い渡しました。このような陪審の決定を覆すかたちでの判決は、のちの2017年にアラバマ州で非合法化されましたが、ロッキーさんの裁判には遡って適用されませんでした。
アラバマ州知事がこの不当な裁判の判決を見直すことが、ロッキーさんを死刑から救い出すただひとつの手段です。彼に恩赦を与えるよう、州知事に訴えてください!
期 間: | 2023年9月13日~未定 |
要請先: | ケイ・アイヴィー アラバマ州知事 |
※要請先に、あなたの名前、メールアドレスを配信元として直接メールを送ります。また、メールが届かない場合を考慮し、終了後、まとめて要請先に署名(名前のみ)を郵送で送ります。
1994年、黒人男性のロッキー・マイヤーズさんは、2人の女性を刺し1人を死亡させた罪で有罪判決を受けました。陪審は、ロッキーさんに仮釈放の可能性のない終身刑を宣告しましたが、判事はこれを覆して彼に死刑判決を下しました。彼が殺人を犯したという証拠は、「被害者から『盗んだ』ビデオレコーダー」一点のみですが、ロッキーさんはこれを路上に捨てられていたものを拾っただけだと主張しています。彼に不利な証拠や証言には矛盾も多く、後になって真実ではなかったと撤回されたものもありました。
ロッキーさんは、11歳のとき知的障がいの診断を受けました。彼は文字を読むことが難しく、日付や時間の認識がうまくできません。彼がそのような障がいのために不利な裁判を強いられたことは、有罪判決後に担当となった弁護士が、裁判所による上訴棄却を知らせなかったことからも明らかです。またその後、知的障がいがあることを理由に上訴の期限を延長する要請が出されましたが、裁判所は、ロッキーさんのIQテストの点数が基準よりも高いとして要請を退けました。このIQテストの基準は、2014年に行われた別の裁判の判決の中で、連邦最高裁判所により違法であると認められたものです。
さらに、ロッキーさんの裁判で弁護を担当したのは、以前の裁判でKKK(クー・クラックス・クラン、白人至上主義を掲げる人種差別主義的な秘密組織)の代理人を務めていた弁護士です。この弁護士は、ほぼ白人だけの陪審員を前にして、黒人であるロッキーさんを侮辱する差別発言を繰り返し、彼をより不利な立場に追いやりました。
死刑は、非常に残酷かつ非人道的であり、また人間の尊厳を大きく損なう刑罰です。アムネスティ・インターナショナルは、被疑者の属性や経歴、犯罪の性質や状況、有罪か無罪か、死刑の執行方法にかかわらず、どんな場合においても死刑に反対しています。