スリランカでは2022年2月以降、経済危機に対する大規模な抗議活動が続いていますが、スリランカ当局はこれを容赦なく弾圧しています。
激しい抗議活動の末に政権が倒れ、7月21日にウィクラマシンハ首相が大統領に就任しました。しかし、新大統領も市民の声を聞く姿勢を持たず、弾圧を続けています。緊急事態令のもと軍まで出動させて過剰な武力行使でデモを排除し、抗議する市民を逮捕しているのです。大統領就任後わずか1カ月余りで逮捕者は140人以上にのぼりました。
大統領や国会議員は声を上げる人たちを「テロリスト」や「ファシスト」呼ばわりし、当局は厳格なテロ防止法まで持ち出して声を抑え込もうと躍起になっています。これまでに3人が同法のもとで身柄を拘束されました。この法律は過去にも社会的少数派や活動家、ジャーナリストなどを標的に適用されてきました。
平和的に抗議する市民に対する弾圧を直ちにやめるよう、スリランカの大統領に要請してください!
期 間: | このアクションは終了しました。(2022年12月9日~2023年9月末日) |
要請先: | スリランカ:ラニル・ウィクラマシンハ大統領 |
2月にデモが始まって以来、当局は催涙ガスや放水などを使っておおむね平和的なデモ隊を強制的に排除してきました。実弾の発砲も報告されており、少なくとも1人が犠牲者になっています。
政権は治安回復のためとこれまでに何度も緊急事態を宣言し、デモ参加者を適正な手続きなしに逮捕する権限を警察と軍に与えてきました。前大統領の辞任を受け大統領代行に任命されたウィクラマシンハ首相(当時)は、新たな緊急事態令を出してさらに大きな権限を治安当局に与え、軍に「治安の回復には手段を選ぶな」と指示しました。たとえ緊急事態であっても、敵と戦うための訓練を受けた軍の武力を市民に向けるのは、大いに問題です。緊急事態は大統領就任後に延長されましたが、8月になってようやく解除されました。
抗議活動に参加した市民は「やってもいない罪で刑務所に入れられてしまうのではないかと不安だ」「市民の多くは、渡航禁止を言い渡されたり、監視を受けたりしている。催涙ガスを浴びせられ、警棒で殴られ、時には牢屋に入れられている。権力の維持にこだわる政府は、私たち市民の側に立ってはいない」と恐れや憤りをあらわにしています。
スリランカ当局は、平和的な集まりに参加した人たちに対するすべての容疑を取り下げ、すでに拘束されている人たちをただちに釈放すべきです。政府は抗議活動に対する方針を転換し、抗議の権利を尊重し、弾圧に終止符を打たなければなりません。