女性の権利や死刑問題などに取り組んできた女性弁護士のナスリン・ソトゥデさんが、実刑38年とむち打ち148回の判決を言い渡されました。
イランでは、女性が公共の場で「ヒジャブ」を着用することは法律で義務化されており、ヒジャブの強制に抗議しただけで逮捕や起訴をされた女性たちが数多くいます。ナスリンさんはこうした女性たちの弁護を引き受けていました。それが公共の秩序を乱す反体制の活動だとされたのです。
ナスリンさんに科せられた実刑は、夫と2人の子どもから引き離し、人権のために闘う活動を弾圧する、不当な判決に他なりません。
イランの最高指導者に対して、ナスリン・ソトゥデさんを今すぐに無条件で釈放するよう要請してください!
ナスリンさんの釈放のため、アムネスティは世界中で100万人の賛同者を集めています。世界中で集めた要請は、ナスリンさんが逮捕された6月13日に、一斉にイラン当局に提出します。日本も、同日、駐日イラン・イスラム共和国大使に提出します。
イランの法律や習慣には、女性に対する差別が根深く残っています。女性が髪の毛を見せたり、派手な化粧をしたり、ぴったりした服を着たりしただけで、いやがらせを受けたり、拘束されてしまうことがあります。外出するときは必ず、ヒジャブという女性が頭や身体を覆い隠す布をかぶり、髪の毛、腕や脚を隠さなければなりません。
ナスリンさんは、イランにおけるこうした女性差別を撲滅するための活動に、人生を捧げてきた著名な女性弁護士です。ヒジャブ着用を強要する法律に反対し、女性の権利を主張する人たちを弁護してきました。
ナスリンさんは2018年6月に逮捕され、「腐敗と売春を煽った」「反体制のプロパガンダ」「公共の場でヒジャブを着用せず、邪悪な行動をとった行為」など7つの罪に問われました。そして2019年3月、すべての罪で有罪となり、合計33年の刑とむち打ち148回を言い渡されました。これとは別に2016年にも、在イラン外国公館での会合等が「人権を隠れ蓑にしてスパイに会っていた」とされ、治安関連の罪で5年の刑を受けています。今回の件と合わせ、38年の投獄が科されたのです。別件で実刑判決を受けたことをナスリンさんが知ったのは、今回の件で逮捕された後のことでした。
期間 | このアクションは終了しました。(2019年4月12日~6月10日) |
要請先 | イラン最高指導者アリ・ハーメネイー、駐日イラン・イスラム共和国大使モルテザ・ラフマーニ モヴァッヘド |