元弁護士で市民記者として政治や人権問題について発言してきた張展(Zhang Zhan)さんが、獄中での抗議のハンガーストライキで命の危険に陥っています。
張展さんは、2020年2月、新型コロナウイルスの震源地となった武漢を取材し、政府関係者が独立系ジャーナリストを拘束したり、ウイルスに感染した患者の家族に嫌がらせをしたりしている様子をソーシャルメディアで発信しました。
こうした活動により、同年5月、中国政府に拘束され、社会騒乱挑発罪で4年の拘禁刑を言い渡されました。
張展さんは拘束された翌月から、不当な勾留に抗議してハンストを開始し、2020年12月に刑が確定した後も、現在に至るまで、判決に抗議するハンストを繰り返し行なっています。今年7月に入院した時には、体重がわずか37kgと、拘束される前の半分にまで落ち、命を落とすかもしれない事態に直面しています。
張展さんは、感染拡大の中での中国政府の対応をソーシャルメディアで報じただけであり、なんの罪も犯していません。
「真実を求め、何としてもそれを追求すべきです。真実は常に世界で最も価値の高いものです。それは、私たちの命なのです」――張展さん
中国の習近平国家主席に、張展さんを直ちに釈放するよう、要請してください。
期 間: | この署名は終了しました。(2023年10月31日~2024年 3月31日) |
要請先: | 習近平国家主席 |
※署名(名前のみ)はアムネスティ日本で取りまとめ、中国大使館を通して要請先に提出します。
中国で新型コロナウイルス感染症が拡大した中心地である武漢が最初に封鎖されたとき、張展さんは迫りくる危機を報道した数少ない市民記者の一人でした。真実を伝えることを決意し、2020年2月に武漢に赴き、感染者やその家族が中国当局の嫌がらせを受けているのを知り、見聞きしたことをソーシャルメディアで発信しました。
市民記者は、新型コロナウイルスに関する検閲されていない生の情報を得られる唯一の情報源でした。政府が公開したくない情報を暴露するために、常に嫌がらせを受けています。
張展さんは、2020年5月に武漢で行方不明になりました。その後、当局は、640キロも離れた上海で拘束していることを認めました。2020年6月、張展さんは拘束されていることに抗議してハンストを開始。同年12月に公判が行われた時には体が衰弱し、車いすで出廷しなければなりませんでした。かたくなにハンストを続ける張展さんに業を煮やした刑務官に3カ月以上にもわたり手足を束縛されることもありました。公判前には強制的に管で栄養を注入され、その管が外せないように縛り付けられました。
張展さんは2021年3月に上海女子刑務所に移送され、ハンストを続けています。彼女の家族や他の人権活動家たちは、彼女に残された時間はそれほど長くないのではないかと心配しています。