中国:表現の自由を行使して拘禁された5人に自由を!

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2022年2月から3月にかけて、北京冬季オリンピック・パラリンピックが開催されます。中国政府は、スポーツの祭典の華やかさ、威信、一般の人びとの関心を最大限に利用して自国のイメージを国際的に向上させようとしています。その一方で、国内で起きている数々の人権侵害から人びとの目をそらそうとしています。

特に表現の自由は、中国当局により組織的かつ大規模に侵害され続けています。今この瞬間も、表現の自由を行使した多くの市民ジャーナリスト、学者、人権・環境活動家、少数民族や弁護士などがターゲットにされ、不当な理由で逮捕され拘禁されています。

国際交流と相互理解を謳った大規模なスポーツの祭典を開催する一方で、人びとの言論・表現を徹底的に検閲し弾圧している中国政府の姿勢は、見過ごすことはできません。

中国政府が、表現の自由を行使しただけで起訴または拘禁されている人たちに対する訴えを取り下げ、釈放するよう要請してください。

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中国には、以下の5人をはじめとして、暴力を用いたり扇動したりせずに政府の政策を批判、あるいは学術的な意見を発表しただけで逮捕・拘禁されたり、場合によっては「行方不明」の状態に置かれた人が大勢います。

張展(Zhang Zhan)さん

張展(Zhang Zhan)さん

市民ジャーナリストの張展さんは、2020年2月、新型コロナウイルス感染症拡大の震源地となった武漢を取材し、現場の様子を発信しました。それにより同年5月に拘束され「行方不明」状態となり、その後、社会騒乱挑発罪で4年の実刑を言い渡されました。現在、不当な判決と刑務所での処遇に抗議して部分的なハンガーストライキを続けており、急速に衰弱しています。

市民ジャーナリストは政府から独立した立場で、検閲されていない生の情報を発信する重要な役割を果たしています。政府が公開したくない情報を告発するために、常に嫌がらせを受けています

イルハム・トフティ(Ilham Tohti)さん

イルハム・トフティ(Ilham Tohti)さん

ウイグル人であり経済学者であるイルハム・トフティさんは、ウイグル人の権利擁護や民族間の融和・相互理解を長年訴えてきました。中国におけるウイグル人の不平等な扱いを克服するための建設的な道筋を提案し、2014年に当局に拘束されました。その後、無期刑の判決を受けて現在も服役中です。

新疆ウイグル自治区におけるウイグル人、カザフ人、その他の少数民族に対する組織的な集団監禁、拷問、迫害は、人道に対する罪に相当すると考えられます。中国政府は、独立した立場での国際的な調査や報道を求める声を拒み続けています。

李翘楚(Li Qiaochu)さん

李翘楚(Li Qiaochu)さん

李翘楚さんは労働者の人権問題に取り組み、また、フェミニストとして中国国内の#MeTooキャンペーンに積極的に関与し女性の権利を訴えてきました。しかし、そのために警察から嫌がらせを受けてきました。同じく活動家であり法学者であるパートナーが拘束されたとき、パートナーが受けた拷問について公にし、釈放と処遇改善を求めました。その後、李さんも拘束され、「国家権力転覆罪」で起訴され、現在も拘禁されています。李翘楚さんは現在、メンタルヘルスの問題を抱えており、健康状態が心配されています。

高智晟(Gao Zhisheng)さん

高智晟(Gao Zhisheng)さん

中国で最も尊敬されている人権派弁護士の一人である高智晟さんは、2006年2月、中国における人権活動家への迫害を国内外に訴えるためにハンガーストライキ・キャンペーンを組織し、その直後に逮捕されました。その後長年にわたり、高さんは、行方不明にされたり監禁や軟禁を受けてきて、自由を感じることはほとんどありませんでした。2016年、高さんは中国当局から受けた迫害についての手記を発表し、2017年8月に再び「行方不明」となりました。彼の居場所と現在の状態は依然として不明のままです。

2015年7月9日以降、中国政府によって前例のない人権派弁護士・活動家への大がかりな弾圧が行われ、約250人の弁護士・活動家が尋問されたり逮捕されたりしました。現在も、多くの弁護士が獄中や厳しい監視下に置かれています。

リンチェン・ツルトゥリム(Rinchen Tsultrim)さん

リンチェン・ツルトゥリム(Rinchen Tsultrim)さん

チベット自治区の僧侶であったリンチェン・ツルトリムさんは、個人のウェブサイトなどを通じて、中国当局によるチベットの宗教・文化・言語の同化政策などについて個人的な意見を発信しました。そのため、当局から厳しく監視され、2019年8月に拘束され、2020年11月に4年6カ月の禁固刑を言い渡されました。家族や弁護士との接見は許されていません。

中国のチベット人は、「反分離主義」「反過激主義」「テロ対策」を口実に、宗教的信条、表現、結社、集会の自由が厳しく制限され、弾圧されています。チベット人僧侶、作家、抗議者、活動家は定期的に拘束されており、国際人権団体やジャーナリストなどが独立した立場でこの地域の人権状況を調査することは厳しく制限されています。

ここに紹介した5人をはじめ、市民ジャーナリスト、学者、人権活動家、少数民族、人権派弁護士は、自らの信念や政治的意見、政策批判を発信しただけで厳しい迫害を受けるリスクが高い人びとです。

中国政府は、国際人権基準やオリンピック憲章に沿って中国国内で人権の保護に誠実に取り組む姿勢を示さなければなりません。そのために、まずは、平和的に表現の自由を行使しただけで拘束されているこれら5人をはじめとしたすべての人びとを釈放するよう、中国政府に求めてください。

期 間: このイベントは終了しました。(2022年1月14日〜3月3日)
要請先: 習近平国家主席

この署名は終了しました。たくさんの方のご参加、ありがとうございました。