友だちと遊ぶ、好きなマンガを読む、
自分の考えを自由に言う・・・
あたりまえのことに思えるかもしれないけど、
このあたりまえは、みんなの努力で
作って守ってきたものなんだ。
こうしたあたりまえが、世界中、
いつでもどこでも守られるように、
とできたのが
「世界人権宣言」なんだよ。
「人間らしく生きるのに必要な権利」、
つまり人権に関するもっとも基本的なルールが30個書かれているんだ。
どんな30個か、見てみよう!
イラストと各条文は見てくれたかな?
今度はイラストだけを見て、どの条文をあらわしたものなのか考えてみよう。
似ている条文もあるから、まよったらヒントを見てみて。
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日本が焼け野原になった、第2次世界大戦のことは知っているよね。この戦争では、本当にひどいことが起きたんだ。
戦後、世界の平和を守るためにできた国際連合で、各国のリーダーたちは、こんなひどいことを2度と繰り返さないためにはどうしたらいいか、考えた。 「人権を国内の問題だと大切にしてこなかったことが戦争につながって、おそろしい出来事を引き起こしたのだ」と反省して、 世界各国が協力して人権を守らなければだめだと決意したんだ。そしてそのためのルールづくりに取りかかった。 文化や宗教や政治体制のちがう国の人たちが話し合って、1948年に「世界人権宣言」が完成。
この宣言で一番大切なのは、わたしたちはみんな、生まれた時から自由で平等で、同じ人権を持っていると、と示したこと。 その後、この宣言をもとに、人権に関するいろいろな決まりごとができていったんだよ。
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自分の思ったことを自由に言うこと。好きな服を着ること。好きな音楽をきくこと。勉強したいと思ったら勉強できること。病気になったら病院に行ってお医者さんにみてもらうこと。家族や友だちといっしょに旅行すること。がんばって、大人になったらあこがれの仕事につくこと。これらはすべて、わたしたちが持っている「人権」なんだ。
人権がなかったらどうなるか、もう想像できるよね。
好きなことをする自由も、イヤだと言う自由もなく、どれいのようにこき使われるかもしれない。虫けらのようにあつかわれたり、毎日なぐられて、食べ物もないかも。
人権のないおそろしい世界にくらしたい人は、いないよね。
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人権がみんなにとても関係していることは、もうわかったかな。あたりまえにあるから、特に知らなくてもいい?勉強するのはめんどう?
でもちょっと待って。
人権は人間らしく生きるために必要な、特別な権利。権利が何かはちょっと難しいけど、「社会全体が守るべきルール(例えば法律)にもとづいて要求できるもの」と言いかえることができるよ。自分の人権がダメにされたら、あるいはされそうな時には、要求できるんだ。でもそれには何が権利か知っていないと、要求もできないよね。仕方ないとあきらめてしまうかもしれない。
人権を知ることは、自分を守るためにも、とても大切なことなんだ。
このウェブサイトで使用しているイラストや谷川俊太郎さんの日本語の条文を、人権教育の教材として活用しませんか。子どもたちが身近に「世界人権宣言」に触れ、人権への知識と理解を深めるきっかけになればと、自治体、教育関係者の方に、素材を提供しています。